鴨がねぎを背負って口の中に飛び込んできた! 

ことわざだったり慣用句だったり、昔の人は本当よく言ったもんだなあと感心することが多いのですが、昨日の夜も思わず「うん、古き言い伝えはまことであった!」と思わずひざを叩き、盲(めしい)た目の代わりによぉーく胃腸を働かせてきたので記録のために残しておこうと思います。

 

「鴨鍋に葱はつきものだが、鴨が自分で葱まで背負って飛んでくれば、すぐに食べられて好都合」=「お人好しが、こちらの利益になる材料を持ってくることを言う」(故事ことわざ事典より)

まあ、このことわざが言いたいことの意味はわかるけど、どっちかっていったら「鶏が圧力鍋持ってカーネルさんと手をつないでやってきた」とかのほうがピンとくるというか、要は鴨鍋ってまともに食べたことなかったんで、そこまで好都合の条件に出すほどおいしいって定評ある料理なの??そこはわからん、っていう感覚?っていうの?だったんですよね。

 

いつも前置き長いって言われるから突然本題に入ると、このお店行って来ました。

みよし

http://tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13012801/

銀座にある、鴨料理のお店です。(食べログによると写真撮影禁止とのことだったので外観のみ)

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ああ、鴨とねぎって合うんだ。そもそも鴨ってこんなおいしいのかー!と目からコンタクトレンズじゃなくてうろこが落ちた夜でした。

 

お店のドアがだいぶ重くて、ドアベルが引き戸のそばにあったもんだから、「あれ?もしかしてチャイムを鳴らさないと入れない仕組みなのか?!」と誤解してしまったくらい。勇気を出して思い切りスライドさせましょう・・・

狭いお店で、多分きゅっと詰めても15人も入れない感じでした。この日も満員。

店内は古くて換気扇も吸い込みが弱く、炭火で焼かれる鴨の煙でもうもう。椅子は劣化してひび割れたビニールのものだし、トイレもトラディショナルな和式。

でも一枚板と思われるカウンターの木はきちんとすべすべで綺麗!変な芳香剤の匂いが遠くから漂ってくるような古さではありません。

ウンターの中には2人の女性が入っていました。聞くと、小料理屋さんからスタートしたのを、だんだん鴨料理専門にしてったとのことでした。昭和24年に開店っておっしゃってたので、自分の親と同世代のお店か、と感慨深かった。

 

さて、肝心のごはん。

生の肉は好きじゃないし、獣肉感が強いものも苦手。唯一ここ数年はお蕎麦屋さんで鴨汁をいただくくらいで、実はあんまり鴨とか興味ない・・・というわたしでしたが、ひとくち鴨焼きを口にした途端、スイッチが入りましたよ。

つきだし(日替り?っぽい。鶏のお刺身をたまごの黄身とわさび醤油でさっと和えたもの)→鴨焼き→鴨鍋のコースなんだけど、ノンストップでがつがつ食べてしまった。

鴨焼きの見事さったらなかったなー。皮目がこれ以上ないくらいぱりぱりで、ふっくら柔らかくてジュージーな肉を噛む喜び。これが鴨肉なのか!!!と大感激しました。※食べログの写真を見てから想像していただきたい。

表面に振られたお塩がちょうどよくて、ポン酢が用意されていたんだけど何もつけずにそのまま全部食べきっちゃったくらいです。冷めても美味。ワインに合う!(飲んでないけど)

鶏だといつも皮はむいて食べないんだけど、鴨は脂あってこそ、ですね。うん。

メインの鴨鍋はたっぷりのお野菜とともに供されるんですが、初めて食べるのでどういうやり方が一番おいしいのか聞いてみたところ、表面の色が変わってからしばらくしてからが食べごろだそう。

えー・・・よく火を通したいんですけど・・・と心で叫びましたが、日和ってお店の方の言うとおりに食べましたよ。ジンギスカンが食べられる人なら「え、全然においしない!鶏より味わい深くてコクがある!!!」って思うんじゃないかな。(わたしがそう思った、って書けばいいだけなんだけど)

ぶりぶりの肉厚しいたけと、きちんと広がった新鮮な春菊がたっぷり、綺麗に盛られた白菜。一緒に食べると本当にもう最高。身の締まったねぎなんてもう、ああ、そういうことね!確かにこりゃカモネギとか言いたくなるわ、わかるぅー!!!とかなんとか言ったか言わないか(言ってない)。

締めにはお雑炊をいただきました。たまごとねぎ、たっぷりの海苔が追加されて、出汁をたっぷり吸ったお米はお腹いっぱいでも根性で食べちゃうくらい。

 

冬はねぎがおいしい季節なので、鴨鍋は真冬が一番おいしいそうな。

そんなわけもあってか、今月はもう予約はできないそうです。残念!!!!

 

瓶ビール2本に熱燗1本、2人で1万とちょっと。

また行きたいなあー。

 

ねぎを噛んだ時ににゅっと出てくるあすこが激熱なので、やけどに注意です。